新型コロナワクチンの3回目接種が医療従事者を対象に開始されることが報じられた。その報道に対して投稿されたコメントのいくつかを以下で検討する。
まず、「死亡報告」「重篤報告」の数を提示するのであれば、「接種者数(回分)」と「死亡報告の割合」「重篤報告率の割合」などの情報を加えて提示するべきであろう。そうしないと、提示されている「死亡報告」「重篤報告」の数の多寡を評価することができない。
また、引用元の情報源が提示されていない。何らかのデータを示すことによって主張を展開するのであれば、そのデータの情報源を、「11/12厚労省ワクチン副反応検討部会より」というように文面のみで示すのではなく、URLの記載などによって必ず明確にしなければならない。
このデータはおそらく以下の情報源から抜粋されたのであろう。
厚生科学審議会 (予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会) (mhlw.go.jp)における第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第22回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)資料https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00034.html
このコメントにあるデータが適切かどうか、ワクチン接種と死亡・重篤報告の間の因果関係について厚生労働省はどのような見解に立脚しているかなどは、上記URLにある厚生労働省の報告を確認して判断して頂きたい。
新型コロナワクチンの副反応疑い報告について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)の「死亡例の報告について」の資料2-6-1(000854107.pdf (mhlw.go.jp))を確認してみよう(とりわけ30ページ目を確認してみよう)。
このコメントに対する返信として以下のようなものがあった。
「例年の死亡数を比較すると良いと思いますよ」と言うのであれば、その「例年の死亡数を比較」したデータを提示するべきである。そうしないと、この見解が正しいのか否かが分からない。
「死亡数」「超過死亡(数)」についてもデータを提示しなければならない。
読み手や聞き手にデータを調べさせるのではなく、データに言及する本人がデータを提示しなければならない。このことをお忘れなく。
また、「大規模に接種をしだした5月」という表現だけでは曖昧であり、「大規模」とはどのような程度の状況であるのか分からないので、その表現に加えて、「5月」頃に接種対象となっていた属性(「医療従事者」や「基礎疾患を有す者」など)を明らかにして、どれほど接種が本格化・大規模化していたのかを説明する必要があるだろう。
このコメントにも情報源が明記されていない。
情報源を探していると、次の情報を発見した。
シカゴ市の公式ホームページのCity of Chicago :: Mayor Lightfoot Provides Update on City Employee Vaccine Policyによれば、以下の通りだ。
employees must be fully vaccinated unless they have received an approved medical or religious exemption.
この箇所を和訳してみると「公務員は、承認された医療上あるいは宗教上の免除措置を受けていない限り完全にワクチンを接種しなければならない」となるだろう。
つまり、「全公務員」といえども「承認された医療上あるいは宗教上の免除措置を受けている者は完全にワクチンを接種しなくてもよい」という例外が存在するのだ。