政党名を隠して政策比較してみる(農林水産編)

議論
スポンサーリンク

 衆議院総選挙が10月31日に控えています。期日前投票は今月20日から始まっていますね。みなさんは各政党の政策をご覧になりましたか?投票する前には政策や公約・マニフェストを確認して、どの政党・候補者に投票するかを吟味しなければなりません。

 しかし、現実問題として選挙は「人気投票」的な傾向が強く、投票する政党・候補者を政策の吟味によって決めようとする者はあまり多くないだろう。そのような意味で、政党のブランドや知名度は政策・公約自体の存在感を薄くしていると言えるだろう(無論、ブランドや知名度もまた選挙における重要な要素ではあるが)。

 ということで、政党名を隠すことによって政策を際立たせてみた。政党のブランドや知名度は一旦脇に置いて、政策だけを考慮して、投票したい政党がどこかを考えてみよう。

 なお、今回政策を掲載するにあたっては、各政党のホームページにある「衆院選公約・政策」や「重点政策」といったものから引用することにした。また、政策の掲載の仕方は政党によって異なるので、以下に掲載した政策の分量には政党間で差がある。この点については理解いただきたい。

※複数項目に当てはまる政策に関しては、本項目に記載がなくても他項目にある場合があります。

A党

  • 世界的な食料危機や気候変動に真剣に対応します。
  • 地域政策を重視し、農村の維持・活性化に重点を置く農政に転換、推進します。
  • 米の需給調整は国の責任で行うとともに、食料自給率50%、有機農業面積30%をめざし農業者戸別所得補償制度を再構築し、安心して営農継続できる環境を整えます。米は15,000円/10aを補助します。
  • 環境配慮型農業を推進するため、有機農法やGAP認証を受けた農法を行う農家には「環境加算」を上乗せします。

B党

  • 重点政策に記載なし

C党

  • 種子法の復活や種子条例の制定を推進し、日本の固有種の保護・育成に努める。
  • アメリカの穀物メジャーの種子独占に反対し、遺伝子組み換えや農薬づけの食品から、食の安全を守る。
  • 小規模農業を守る戸別所得補償制度を復活させ、当面50%以上の食料自給率をめざす
  • 戸別所得補償制度を復活・拡充して規模の大小を問わず農業経営をしっかり下支えして早期の「食糧自給率50%以上」を目指すとともに、農林水産業の再生と担い手の育成、農山漁村の発展に全力をあげる。

D党

  • 現在、世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大による非常事態にあり、地震や台風といった自然災害の発生、紛争勃発が常態化しています。気候変動・地球温暖化の影響も生じています。こうした状況に対処し、危機管理の徹底、農地・担い手の確保、国内生産の拡大と安定した流通体制の整備、国内生産の維持・拡大を旨とした貿易ルールの形成を図り、食料自給率を向上させ、「食の安全保障」を確立します。
  • 「価格は市場へ、所得は政策で」という基本的な考え方の下で、持続可能な再生産を確保します。そのため、多種多様な農業者に生産費を補償する農業者戸別所得補償制度を復活し、様々なリスクに対応して平年並み所得を保障する収入保険を改善し、一体的に実施します。
  • 米については、農業者戸別所得補償制度の下、再度、生産調整を政府主導に戻します
  • 主要農作物種子法を復活し、公的機関での新品種開発・育成を支援します。
  • 農地は食料の安定供給を支え、多面的機能を発揮するという公共的な資源としての位置付けを有します。こうした農地を守るため、農地の売買・貸借や転用に対する公的関与を強め、公共財としての土地改良は国費によって進めるとともに、国土のゾーニングによる農地政策について検討を進めます。
  • 農地の利活用、維持管理を徹底するためには、農業者が農村に定住することが重要です。そのため、多面的機能支払、中山間地域等直接支払、環境保全型農業直接支払を統合し、農村を維持・強化する新たな直接支払制度を創設します。
  • 藻場・干潟の保全、国境監視等、漁業・漁村の多面的機能の発揮と現場漁師の声を反映させる仕組みを創設し、資源管理の実効性を向上させます。
  • 漁業収入安定対策(積立ぷらす・漁業共済)の充実・強化を図ります。
  • 悪質化・巧妙化する外国漁船による違法操業への取締りを強化します。
  • 国土の3分の2を占める森林は、林産物供給のほか、生物多様性の保全、土砂災害の防止、水源のかん養、保健休養の場の提供などの多面的機能を有しています。こうした機能を維持するため、作業網の整備などにより、森林環境の保護と再造林の確保等林業振興を一体的に推進し、木材の安定供給と国産材の利活用を促進するとともに、違法伐採木材の市場流入を防止します。

E党

  • 重点政策に記載なし

F党

  • 農業・食の安保を徹底的に(徹底した国の買い上げで生産者の所得安定、自給率向上)。
  • 農林水産業を守り抜く。

G党

  • 家族農業、中山間地農業など多様で多面的な農業を守り、地域振興を図る。
  • 米価安定のために、水田フル活用を推進する。
  • 森林環境譲与税を活用して、美しい森を守り、林業の成長産業化を進める
  • 「広域浜プラン」に基づき、新しい漁船の導入など、若者が働きたくなる漁業環境を整備し、浜の皆さんの生産性向上への取組みを支援する。
  • 国民の皆様が求める多様な農産物の需要に応じた生産の拡大を進め、食料自給率・食料自給力の向上に資する対策を強化し、農業・農村の所得増大を目指す
  • 担い手の育成・確保や農地の集積・集約化を進めるとともに、規模の大小や中山間地域といった条件にかかわらず、幅広く生産基盤の強化を図る。
  • コロナ禍の影響による需要の減退等に対応するため、米など農林水産物の販売促進・販路の多様化、資金繰り支援等を行うとともに、外食産業への支援を行う。
  • 米については、市場隔離効果をもつ新たな特別枠を設け、収入減少に対してはナラシ対策や収入保険で対応し、その支払いまでの間は、無利子融資を行う。
  • 2025年2兆円、2030年5兆円の輸出額目標の達成に向け、輸出産地・事業者の育成、品目団体の組織化、戦略的サプライチェーンの構築、加工食品輸出に取り組む中小事業者への支援を行う。
  • 森林・林業・木材産業による「グリーン成長」の実現に向け、エリートツリーやスマート林業等で伐採から再造林・保育の収支をプラス転換する「新しい林業」を展開する。
  • 治山事業や森林整備事業を5年間で集中的に実施するとともに、林道・作業道等の整備を進め、国産材の安定供給体制を構築する。
  • コロナ禍の影響を受ける水産関係者の経営継続に万全を期すため、積立ぷらす、燃油・配合飼料対策等の経営安定対策を実施するとともに、水産物の供給平準化や販売促進・販路の多様化の取組み等を支援する。
  • 「水産日本」の復活に向け、漁船・漁具等のリース方式による導入や施設の再編整備、もうかる漁業・養殖業の実証等により、持続可能な収益性の高い操業体制へ転換するとともに、新規就業者対策、水産物の加工・流通・消費・輸出の促進などにより、DXやカーボンニュートラルも含む水産業の構造改革、成長産業化を推進する。

H党

  • 減反政策の廃止を徹底し、コメ輸出を強力に推進します。また、戸別所得補償制度の適用対象を主業農家に限定します。
  • 農協法の更なる改正により、地域農協から金融部門を分離し、また地域別に株式会社化することで、「農協から農家のための農業政策」へ転換を図ります。
  • 農協の地域独占体制を改善するために、農協に対する独占禁止法の適用除外規定を廃止し、複数の地域農協の設立を促進するなど、競争環境を整備します。
  • 農地法改正により、株式会社の土地保有を全面的に認め、新規参入を促進します。同時にゾーニングと転用規制を厳格化し、農地の減少を食い止めます。
  • 企業による農地取得やコメ先物取引の本上場など、必要な成長戦略がいわゆる「族議員」と農水省によって次々に頓挫させられてきた現状に鑑み、一次産業のイノベーションを阻む農水行政のあり方は抜本的に見直し農水省は解体的な改編も視野に組織改革を行います。
  • 農業委員会のあり方を見直し、必置規制を廃止するなど、その判断を自治体に委ねる農政の地方分権改革を進めます。
  • 種苗の開発者の育成者権を守り種苗の不正な海外流出を防ぐ環境を整備するとともに、積極的に研究開発を行う農家・開発者による新たなビジネスモデルの構築を支援します。
  • 国民病となっている花粉症対策として、無花粉・少花粉スギ等の植栽面積の拡大と花粉を出す樹齢のスギ等の伐採を推進します。
  • 国産材の需要拡大を図るため、国産木材の積極的な活用を支援し、森林の適正な保全に繋げます。
  • 改正鳥獣被害防止法を積極的に活用し、鳥獣の捕獲等について専門的な知識経験を有する者を育成するとともに、ジビエとしての加工・流通・販売のための衛生管理の高度化を促進します。
  • 水産業における乱獲防止のため、漁獲量を科学的に管理し、割当て制の導入を促進します。
  • 外交を通じて日本周辺海域及び世界各地域における乱獲や不当操業を防止し、漁業資源の保全を図ります。

【アンケート】自分に合う政党はどれ?

引用・参考元URL

タイトルとURLをコピーしました