政党名を隠して政策比較してみる(復興・防災編)

議論
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 衆議院総選挙が10月31日に控えています。期日前投票は今月20日から始まっていますね。みなさんは各政党の政策をご覧になりましたか?投票する前には政策や公約・マニフェストを確認して、どの政党・候補者に投票するかを吟味しなければなりません。

 しかし、現実問題として選挙は「人気投票」的な傾向が強く、投票する政党・候補者を政策の吟味によって決めようとする者はあまり多くないだろう。そのような意味で、政党のブランドや知名度は政策・公約自体の存在感を薄くしていると言えるだろう(無論、ブランドや知名度もまた選挙における重要な要素ではあるが)。

 ということで、政党名を隠すことによって政策を際立たせてみた。政党のブランドや知名度は一旦脇に置いて、政策だけを考慮して、投票したい政党がどこかを考えてみよう。

 なお、今回政策を掲載するにあたっては、各政党のホームページにある「衆院選公約・政策」や「重点政策」といったものから引用することにした。また、政策の掲載の仕方は政党によって異なるので、以下に掲載した政策の分量には政党間で差がある。この点については理解いただきたい。

 ※複数項目に当てはまる政策に関しては、本項目に記載がなくても他項目にある場合があります。

A党

  • 毎年のように大規模な自然災害が発生し、多くの命が奪われていることから、「社会資本再生法」(仮称)を制定し、公共インフラの円滑な維持管理、老朽インフラの計画的更新を進め、安全性・防災性と効率の向上を実現します。
  • 東日本大震災等の災害復興支援を引き続き進めます

B党

  • 被災者生活再建支援法の支援金を300万円から500万円に引き上げるとともに、対象を「一部損壊」まで広げる。
  • 乱開発を規制し、盛り土の崩壊やがけ崩れ、堤防決壊、液状化被害などの危険箇所の点検と対策を実施する。災害に強いまちづくりをすすめる。
  • ダムに偏重した治水対策を転換し、河道や堤防の整備、浸水時に対応した土地利用計画の樹立など、流域住民の参加と合意による流域の一体的な管理をすすめる。

C党

  • 自然災害に対するインフラ整備を進める。
  • 大規模開発、新規事業優先ですすめられてきた、公共事業のあり方も根本から見直し、老朽化したインフラの確実な更新や、安心・安全の防災・減災対策を基本にすえた取り組み予算を重点的に配分するべきである。
  • 防災対策という面からも優先的な資源配分が必要である。
  • 国は、自治体の防災・減災・老朽化対策への国の支援を強化するべきである。
  • 警戒体制や住民への情報の提供体制、消防や自治体など地域の防災力を強化し、住民の命を守る医療や福祉の体制を日常から整えることも必要である。
  • 「国土」だけではなく、災害に強い国、災害から命と財産を守る社会にしていく必要がある。
  • 自衛隊の一部を災害出動を「主たる任務」に位置づけた、「災害救助隊」に改編することを提案している。

D党

  • 帰還困難区域での特定復興再生拠点区域の整備については、除染や家屋解体等で発生した廃棄物の処理を国が責任を持って確実に対応する仕組みを構築します。さらに、生活環境の整備、産業・生業の再生に向けて十分な予算を確保し取り組みます。
  • 拠点区域外については、各自治体の意見を尊重し、丁寧に協議を重ね、避難指示解除のための具体的方針および必要となる事業費用および財源を早急に示すとともに、具体的に予算措置を講じ、将来的に帰還困難区域全ての避難指示を解除します。
  • ALPS処理水の処分方法については、地元や関係者の理解を得ず、原発敷地内から海洋放出されることが決定されましたが、この方針を見直します。当面は地上保管を継続し、トリチウムの分離や放射能濃度の低減など技術開発による根本的な解決策や、福島やその周辺自治体のみに負担を強いることのない処分方法の検討を徹底的かつ具体的に進めつつ、国民的議論を経た上で処分方法を決定します。そして、いかなる処分方法が決定されたとしても、あわせて具体的かつ実効性のある風評被害対策を実行します。
  • 避難、居住、帰還といった選択を、被災者が自らの意思によって行うことができるよう、国が責任を持って支援しなければならないと定める「子ども・被災者支援法」の下、福島県外避難者に対して、その生活実態を踏まえ支援を拡充し継続します。
  • 災害公営住宅入居者などで孤立・孤独死防止のための見守り・心のケア・生活支援の実施や交流の場の確保が求められていることから、人的支援、民間支援団体などへの支援を継続します。
  • NPO等は、きめ細かいニーズ把握や伴奏型の支援に「絆力」(きずなりょく)を活かした復興・被災者支援の実績があることから、移住人口や関係人口の増加、地域内の人のつながりの強化に結びつく取り組みに対し財政的な支援を拡充するとともに、事業運用の柔軟化を図ります
  • 被災地の復興を支える移住者を増やすため、被災自治体への移住者(帰還者を含む)の推移を把握し、事業の継続的改善に活用します。さらに移住したいと思われるような魅力ある地域となるよう、関係自治体の取り組みに対し財政支援を含めバックアップします。
  • 特に若い世代の東北6県へのUターン、Iターン促進施策を強力に推進するなど、東北地方の人口減少対策に取り組みます。
  • 一日も早い原発ゼロ社会の実現を目指し、福島県を再生可能エネルギーや新エネルギー社会を切り拓く先駆けの地とするため、福島県発の技術開発や社会モデルの構築に向け強力に支援します。
  • 「危機管理・防災局」(仮称)を設置することで、戦略的で効果的な対策を進めます。実働部隊である「生活支援隊」(仮称)の創設を目指し、危機対応を抜本強化します。
  • 阪神淡路大震災以降、四半世紀の災害対策を検証し、首都直下地震、南海トラフ地震や大規模な津波に備え、耐震化、地震係数、前震・本震・余震の考え方等についても総括と更新を行い、新たな地震防災対策の戦略策定を行います。
  • 全ての人がお互いさまに支え合う「インクルーシブ」な災害対策”を構築し、地域、世代、性別、職業、障害の有無などにかかわらず全ての層の代表が参加して情報収集、発信、避難計画および実施、避難所運営などをする分権型の防災体制をつくります。
  • 災害対策基本法の改正を踏まえ、災害で誰も取り残すことがないよう、高齢者や障がい者などが避難計画策定や防災教育段階から関与する「インクルーシブ防災」を推進し、災害弱者対策を強化します。

E党

  • 甚大化する風水害や切迫する大規模地震等への対策、インフラ老朽化対策、防災施策のデジタル化等の各分野について、さらなる取り組みの加速化・深化を図るため、2021年度より開始した総額15兆円規模の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を、国と地方のネットワーク力を生かし計画的かつ効果的に実行し、わが国の防災・減災、国土強靱化を着実に進める。
  • 気候変動等の影響により甚大化する台風や豪雨災害に対応するため、河川・下水道管理者等による治水に加え、川上から川下まで河川流域のさまざまな関係者(国・都道府県・市町村・企業・住民等)の協力により、流域全体でハード・ソフトにわたり水災害を軽減させる総合的な治水対策である「流域治水」を強力に推進し、防災・減災が主流となる社会を実現する。
  • 災害時に、自力での移動が難しい高齢者や障がい者等の災害弱者の避難対策を強化するため、確実に避難させるための実行計画である「個別避難計画」の策定や訓練の実施等を全国各地で着実に進める

F党

  • 災害対策などの公共事業を復活(年間10兆円)。
  • 必ず来る南海トラフ・首都直下などの大地震、気候変動へ備える
  • 災害対策、気候変動対策は自治体が主役。プロフェッショナルを育て、公務員を増やす。

G党

  • 東日本大震災から8年、地震・津波被災地域の復興については、2020年度までにやり遂げるとの強い決意で取り組む。
  • 福島の復興については、復興・創生期間後も復興が成し遂げられるその日まで、国が前面に立ち、一日も早い復興を目指して取り組む。
  • 熊本地震、相次いだ豪雨災害、北海道胆振東部地震など、被災地に対し、一日も早い、生活・生業の復興を進める。
  • 近年の気象変化に対応し、7兆円規模の「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を着実・迅速に進める。
  • 様々な自然災害時にもライフラインを維持できるよう、電力、道路・鉄道・空港・港湾などの交通・物流インフラの強靭化に取り組む。災害多発の原因となっている気候変動に対応するため、フロン類の排出抑制やESG金融(環境Environment・社会Social・企業統治Governance)などを推進し、2030年度温室効果ガス26%削減、2050年80%削減を経て脱炭素社会の実現に取り組む。
  • 激甚化している風水害や土砂災害、大規模地震等への対策、インフラの老朽化・耐震化対策、送電網・通信網の強靭化などを集中的に実施するために、十分な予算を継続的に確保し、「防災・減災、国土強靭化にための5か年加速化対策」を着実に実施する。
  • 厳しい気候に耐え得る「土木・建築技術」や「農林水産技術」の研究開発、農地や牧地にとどまらず河川流域全体や市街地全体を再設計する「グリーンインフラ技術」に投資する。「老朽化した集合住宅の改築」も促進する。
  • 激甚化・頻発化する災害に対し、TEC-FORCE等、最前線の現場で活動する組織の体制・機能の充実・強化を図る。あらゆる非常事態を想定した企業の取り組みを促進するなど、日本経済社会のレジリエンスの一層の強化を図る。
  • 情報通信関連の消費電力量が急増している。「省電力化に向けた研究開発の促進」と、「安定的な電力供給体制の構築」に取り組む。
  • いかなる状況下においても国民生活の基盤を維持するために、基幹インフラ産業(情報通信、エネルギー、医療、金融、交通・運輸等)の自律性を高め、強靭化を図る。
  • 東日本大震災の地震・津波被災地域の復興については、第2期復興・創生期間内の早期に完遂するという強い決意をもって、全力で取り組む。
  • 原子力災害からの復興を目指す福島については、国が前面に立ち、2020年代をかけて、帰還希望者が全員帰還できるよう、全力で取り組む。
  • ALPS処理水の処分について、漁業関係者を含む関係者への丁寧な説明等必要な取組みを行いつつ、徹底した安全対策や情報発信等による理解醸成と漁業者等への支援、需要変動に備えた基金の設置などの緊急対策等の風評対策に取り組むとともに、必要に応じた追加対策も実施する。
  • 福島第一原子力発電所事故の風評被害によって現在も広域に多種の農林水産品に輸入制限措置を行っている国や地域に対して、制限解除の働き掛けを行う外交を強化する。
  • 災害からの回復力向上を図るため、被災者の避難生活や心のケア、ボランティアによる共助の推進など、官民連携のもとで取組みを進める。
  • 被災者支援、産業・生業の再建とともに、国際教育研究拠点の整備新しい技術分野の優先的な実装によって被災地の未来を拓く

H党

  • 大規模災害のたびに問題となる初動段階の対応を改善し、発災後1週間以内に、最低限の物資等を確保することを国の指針として定めます。
  • 災害後の対応を検証するワーキンググループには災害現場の首長などを中心に選定し、次の災害現場で即実行可能な提言を策定します。
  • 感染症の対応にあたる「日本版CDC」を首都圏と関西圏に1か所ずつ整備し、感染症対策を万全に行います。(再掲)
  • 道州制の理念の下、隣接都道府県では情報や医療資源の共有化をはかるなど、相互補助できる体制を構築します。(再掲)
  • 防災無線が豪雨の際に聞き取れない事態を未然に防ぐため、「地域FM」「SNS・エリアメール」「テレビ速報」等の様々なツールを活用した情報の伝達のさらなる充実を図ります。
  • 災害時の自衛隊の役割・優先順位が不明確なことで大きな負担が生じていることから、活動の優先順位は①救難・救命②救助③捜索活動④生活支援であることを明確化した指針を策定し、自衛隊による救助活動を効率的に進めます
  • 災害時の倒木や倒れた電柱の撤去作業において、自治体が所有者を問わず復旧作業できるよう各事業者と協定を結ぶモデル制度(和歌山モデル)を全国の自治体に促進します。
  • 市民、ボランティア、行政、自衛隊などの力を結集し、被災者のために一丸となって災害廃棄物等の撤去を行うモデル制度(ONE NAGANO)の導入を促進します。
  • 土砂災害を誘発する放置人工林を自然林に戻すべく、間伐と広葉樹の植栽を推進します。
  • 特に高度成長期以降に整備したインフラの老朽化対策について、AIやIoTなどデジタル技術の活用によるメンテナンスの高度化・効率化を推進するとともに、インフラの集約や不要な施設の撤廃を進めます。
  • 非常用電源のための燃料備蓄をより一層促すとともに、備蓄された燃料の品質劣化に対応するため、適切なチェック体制の整備と燃料入れ替え支援を行い、非常時に停電しない環境を整備します。
  • 避難所のプライバシーや衛生面での環境を改善し、医療関係者などの専門家との連携によるサポート体制を構築した、安らげる避難体制を整備します。
  • 多くの人々が緊急時でもペットとの共存に生きがいを感じていることに鑑み、災害時のペットとの共存・同行避難について明確な指針を策定します。
  • 日本に滞在する外国人に考慮し、災害時の行政からの情報発信や避難所における多言語対応を充実させます。
  • 震災から10年を迎えた東日本大震災の復興政策においては、巨大なコンクリート防波堤などに代表されるハード整備に留まらず、ソフト重視の復興支援策を継続・推進します。
  • 災害廃棄物を被災した自治体のみで処理することが困難な場合に備え、広域自治体間の協力体制の構築を促進し、被災地以外の自治体が引き受ける場合の交付金を創設します。
  • 災害時の「全壊・半壊」認定において、外形的基準による判定の結果、多くの住民への補償が不十分であることに鑑み、その基準を見直して災害後の住民生活を十分に支える制度を構築します。

【アンケート】自分に合う政党はどれ?

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